雑記

光っているとっておきの情熱をチルドしてく

夢を見ている

さっきお昼寝中に見た夢。

私は時速36kmのライブを見ている。最初期の代表曲「夢を見ている」が始まって私は歓喜する。でもイントロが終わっても仲川慎之介が歌い出さない。

この曲の冒頭でフロアの合唱を煽ることがあるから歌い始めないのを聞いてみんなが合唱しだす。いつか仲川さんが歌い始めると思うんだけど一向に歌わないままフロアの合唱だけで演奏が終わる。

終演後振り向くと仲川さんがいて思わず「夢を見ている(で歌わないの)今回だけですか?これからずっと?」と聞く。すると仲川さんは「うん、これからずっと。」と神妙な面持ちで答える。私は何も言えなくてただただ悲しみにくれて会場を出る。

ここで目が覚めた。

こんな夢がなんなんだって話だけど、見た理由にめちゃめちゃ心当たりがある。

それは昨日のこと。時速は昨日久しぶりにデイジーバーという下北沢の小さなライブハウスでメメタァというこの上なくかっこいいバンドと対バンライブをしていた。そしてライブ後、ベースのオギノさんがとある注意喚起のツイートをした。

転換中にメンバーに対話形式で話しかけるのやめてくださいこっちも大人なので以後喋りかけられても別に喋りますけどあぁそういう人ねという判断は下すくらいのことはします
終演後は気張ってないので基本okです(セトリはあげられないんだけどね)

byオギノ@ogino_36km 

https://x.com/ogino_36km/status/1781330403800060099?s=46

当たり前だ。当たり前の話だ。時速は今まで演者とファンの関係性については言及してこなかったけれど人と人のマナーがきちんと守られていないと思ったからオギノさんは発信したんだろう。別に心無いヤジを飛ばしたとかじゃなくても友だちじゃないし真剣に仕事してる最中の人に気軽に話しかけていいわけがない。

小さなライブハウスから叩き上げで大きくなったバンドは、人も少なく活動の仕方もゆるい頃にはある程度バンドとファンの双方向のやり取りが黙認されてることが多い。バンドが大きくなるにつれて明確な線引きがなされ許されなくなっていく。そこら辺きちんと更新できないファンは昔気分のままうっかりした行動をとって相手に迷惑をかける。特に今回みたいに昔よくやっていた小さな会場だと余計に緩みやすい。今までは暗黙の了解で賄っていたけど言及せざるを得ないきっかけが昨日のライブだったのだと思う。

もちろん、昨日のライブ一回で一線をこえたわけではないだろう。ゲージギリギリまでたまっていたものがたまたま昨日こえてしまったということも十分にありえる。

上記の注意喚起はオギノさんが個人でした昨日のひとつの事象に対するものだけど、私はどうしてもバンド自体が不明瞭だったファンに対する扱いに明確な線引きをした表明に思えてならない。

たとえば仲川さんのインスタグラムアカウントが削除されていることとか。まあバグなのかもしれないし間違えたのかもしれないし全く関係ない理由で消さざるをえなくなったのかもしれない。でもこのタイミングで消すってどういうこと?仲川さんのインスタグラムはインスタライブでコメント拾ったりファンともざっくばらんにDMしてるらしい。だからそのアカウントを消すということがファンとの近すぎる距離感に終止符を打ったと見えなくもない。

仲川さん側から消えたインスタについてなんの言及もないしこれは私の妄想。博物館にある土器につけられた根拠のないキャプションのようなもの。

そもそも消えたなら消えたで、ファンに線引きしたならしたでどうってことない。私がこんなに気にする必要はない。それは最もだ。

現に私が観測する範囲でよく時速のツイートをしている人たちはぜーんぜんオギノさんのツイートにも仲川さんのアカウントが消えたことにも言及しない。それがファンとの線引きの表明だなんて言ってる人は1人もいない(←楽しいことにしか言及しない人たちではないのに)。私のように深刻にはとらえていない。

でも私は、どうしても、重要なことに思えてならない。みんなちゃんと考えてる?そう問い掛けたい場面が多すぎる。時速に限ったことではない。

つい最近、私の好きなアイドル20th century(トニセン)のファンがザワザワしていた。今渋谷にはトニセンがプロデュースする喫茶店があり、ファンの天国みたいになっている。私物がたくさん無防備に注意書きもなしに飾ってあってそれをファンは指一本触れずに大切に眺めて楽しんでいる。そこで無遠慮にディスプレイに触るお客さんが現れてその是非が問われていた。そもそも喫茶店のコンセプトはファンだけじゃなくて普通の人たちに普通の喫茶店として長く愛されることを理想としている。だからファンの正しい振る舞いを求めるなんてナンセスだ、という気持ち。それとそもそもマナーとしてお店のディスプレイに勝手に触るべきなのか、という気持ち。そして、トニセン本人はどう思っているのかというわかりえない疑問。ファンの人たちはディスプレイに触るなんてありえない!とリンチするわけでもなく、人として非常識だと責めるわけでもなく、自分の違和感が起点ながらもそれに左右されず多角的に一生懸命自分の認識と振る舞いを考えていた。

私は時速の一件でもこのくらいの議論が巻き起こっておかしくないことだと思っていた。実際他の話題で似たような議論が巻き起こることもある。なのにどうして誰も何も言わないの?

全部全部SNS上での話だ。しかも公の。面識もない他人にわざわざ公の場で言及するなどそれ自体が失礼だ。やらないで済むならやらない方がいい。

でも私は考えてほしい。というかみんなが考えているのかわからなくて不安だ。みんなというのは時速のファンって枠をこえてもっと大勢の人たち。〝みんな〟とか実態もない対象にご意見する私がいちばんナンセンスだって言われたらそれまでだね。

だけど、でも、考えようよ。

褒めてるつもりで失礼なこと言わないで。間違えた振る舞いを指摘されたらきちんと受け止めて。あなたと憧れの人がどういう距離にいるのか考えたことある?

仲川さんの声が聞こえなくてフロアの合唱だけが響く夢。どんなファンがいるかなんて何十年もして音楽だけが残ったら何の意味もなさないことだけど。私が何か望めば望むほど見当違いも甚だしいんだけど。

それなのに、何か、何かがあるはずだと探してしまう。戻らないものの輪郭を辿ってしまう。まだわたしは未熟すぎる。

 

#詩